「印紙って必要ですか?」

はじめまして。関口会計事務所の新人ちゃんこと、ぐっちゃんです。
ブログは書いたことがないので、みなさんのように上手に書けるか分かりませんが、
お読み頂いている方にしっかりとお伝えできるように頑張っていきたいと思っておりますので、
ゆる~い感じでながめて頂ければ光栄です。

今日は先日連れて行ってもらった、東京中央区にある創業70年以上の会社の社長と先生の会話の中で
ぼんやりしたことがありましたので、そのことについて書いてみたいと思います。
会長からの借入金が膨大にあるため、社長は徐々に返済していきたいご意向のようで、
どのように減らしていくかのアドバイスを先生に求めておられました。

横で話を聞いておりましたが、返済するということだけでも
あれやこれやと色々なテクニックの返済方法があるんだなと感じました。

その中で、スタンダードなケースになるかと思いますが、
実際に振込もしくは現金にて返済する場合の実務上の処理のお話がありました。

この場合、振込む会社の通帳にも振込まれる会長の通帳にも、
その形跡が残るので会計上も税務上も振込処理が1番とのことでした。
ただ、会長からたまには現金でちょうだい!とおねだりされるとのことで、
現金にて返済した場合はどのように整備しておけば良いかとのご相談でした。

これについては複写式の領収証で処理してくださいねとのことで、
しかも印紙を貼ってもらってくださいと。。。
私にとっては、そもそも印紙というものがどういう時に必要になるかが良く分からなかったですし
会社の会長とはいえ、個人が発行する領収証に印紙が必要なイメージがまるでなかったので、
疑問に思いながらもちょっと調べてみました。

国税庁のHPを見てみますと、「課税文書」を作成すると収入印紙が必要とあります。
印紙税が課税されるのは、印紙税法別表第1に規定されている20種類の文書で、非課税文書に該当しないものです。主な課税文書としては、例えば、不動産譲渡契約書(1号文書)、請負に関する契約書(2号文書)、継続取引の基本となる契約書(7号文書)、金銭又は有価証券の受取書(17号文書)などがあります。逆に、これらの20種類の文書に該当しない文書であれば印紙は必要ないことになります。

では、借入返済金について見ていきましょう。
返済金を受け取るということは金銭又は有価証券の受取書(17号文書)に該当することになりそうですので、この内容について確認してみます。
『金銭又は有価証券の受取書や領収書は、印紙税額一覧表の第17号文書「金銭又は有価証券の受取書」に該当し、印紙税が課税されます。受取書とはその受領事実を証明するために作成し、その支払者に交付する証拠証書をいいます。・・・・・
金銭又は有価証券の受取書は、受け取る金銭又は有価証券が売上代金に係るものかそれ以外のものかで税額が異なります。
売上代金とは、資産を譲渡し若しくは使用させること(その資産に係る権利を設定することの対価を含みます。)
又は役務を提供することによる対価(手付けを含みます。)、すなわち何らかの給付に対する反対給付であることをいいます。
したがって、借入金、担保としての保証金、保険金や損害賠償金などは売上代金に該当しません。
なお、営業に関しない金銭又は有価証券の受取書は、非課税となっています。
ここでいう営業とは、一般通念による営業をいい、おおむね営利を目的として同種の行為を反復継続して行うことをいいます。したがって、株式会社などの営利法人や個人である商人の行為は営業になりますが、
公益法人や商人以外の個人の行為は営業には当たりません。』
国税庁「印紙税について」

売上代金以外の受取書の場合

借入金については売上代金に該当しないとあるため、売上代金以外の受取書となり、
5万円以上の記載金額で一律200円の印紙が必要になります。
一方で、第17号文書の金銭又は有価証券の受取書であっても、
受け取った金銭などがその受取人にとって営業に関しないものである場合には、
非課税となる規定があります。
借入返済は営業ではないので、非課税となりますでしょうか???
この点については国税庁に下記の通りあります。
『営業というのは、一般に、営利を目的として同種の行為を反復継続して行うこととされており、おおむね次のように取り扱っています。
(1) 株式会社などの営利法人の行為は、その営利法人が直接作成する株式払込金領収書などを除いて営業になります。・・・・・・・』
ということは、会社が借入返済をする行為自体も営業の範囲に含まれ、印紙は必要と言うことになるのですね。印紙の課税文書は20種類もありますから、あと19回ブログが書けちゃうくらい内容が奥深いですね。印紙税だけでもいろいろあって大変ですが一つ一つ勉強しながらスキルアップをしてクライアントの皆様に喜んで頂けるようにこれからも頑張って行きたいと思います。